第2回:コスト削減とパフォーマンス向上:ITサポート活用の秘訣

ITサポート活用の秘訣

デジタル時代、ITの活用は中小企業の生き残りと成長の鍵です。
大手に負けない競争力を手に入れ、業務効率化とコスト削減を実現するITサポートの重要性は日々高まっています。
本シリーズでは、中小企業がITを戦略的に活用し、デジタルトランスフォーメーションを成功させるための具体的な方法と事例を紹介します(第2回/全5回)。

自社でIT人材を育成するリスクとコスト

中小企業が自社でIT人材を育成しようとする場合、様々なリスクとコストが発生します。
まず、採用にかかるコストが挙げられます。IT人材の需要が高まる中、適切な人材を見つけ出し、採用するまでには多大な時間と費用がかかります。
さらに、採用後の教育・研修費用も無視できません。IT技術の進歩は速く、常に最新の知識とスキルを維持するための継続的な教育が必要となります。

また、IT人材の離職リスクも考慮する必要があります。
IT業界は流動性が高く、より良い条件を求めて転職する傾向があります。育成に時間とコストをかけた人材が離職してしまうと、企業にとっては大きな損失となります。

さらに、中小企業の場合、IT部門の業務量が常に一定とは限りません。
繁忙期と閑散期の差が大きい場合、人員の最適化が難しくなります。閑散期には人件費が無駄になる一方、繁忙期には人手不足に陥る可能性があります。

これらのリスクとコストを考慮すると、中小企業が自社でIT人材を育成することは、必ずしも最適な選択肢とは言えない場合が多いのです。

外部ITサポートによる効率的な業務改善

外部ITサポートを活用することで、中小企業は効率的に業務を改善することができます。
外部ITサポート企業は、多くの企業のIT環境を見てきた経験があるため、業界のベストプラクティスを熟知しています。

この知見を活かし、中小企業の業務プロセスを分析し、最適なIT解決策を提案することができます。
例えば、クラウドサービスの導入により、情報共有やリモートワークの効率化を図ることができます。
また、業務の自動化ツールの導入により、単純作業にかかる時間を大幅に削減することも可能です。
これらの改善により、従業員は付加価値の高い業務に集中することができ、企業全体の生産性向上につながります。

さらに、外部ITサポートは、企業のニーズに合わせて柔軟にサービスを提供することができます。
繁忙期には集中的にサポートを受け、閑散期にはサポート範囲を縮小するなど、業務量に応じた最適な支援を受けることが可能です。
これにより、コストを最適化しつつ、必要な時に必要なITサポートを受けられる体制を構築できます。

成功事例に学ぶ:ITサポート導入で変わった中小企業の姿

実際に外部ITサポートを導入し、成功を収めた中小企業の事例を見てみましょう。

事例1:製造業A社(従業員数45名)
A社は、生産管理システムの導入に悩んでいました。自社で開発しようとしましたが、コストと時間がかかりすぎるという課題に直面していました。
外部ITサポートを導入することで、業界特化型のクラウドベースの生産管理システムを短期間で導入することができました。
結果、生産効率が20%向上し、納期遅延も大幅に減少しました。

事例2:小売業B社(従業員数30名)
B社は、顧客管理とオンライン販売の統合に課題を抱えていました。
外部ITサポート企業の支援により、既存のシステムを活用しつつ、新たなeコマースプラットフォームを導入しました。
その結果、オンライン売上が前年比50%増加し、顧客満足度も向上しました。

事例3:サービス業C社(従業員数25名)
C社は、セキュリティ対策に不安を抱えていました。
外部ITサポートを導入することで、包括的なセキュリティ評価を受け、適切な対策を講じることができました。
その結果、情報漏洩のリスクが大幅に低減し、顧客からの信頼も向上しました。

これらの事例から分かるように、外部ITサポートの活用は、中小企業のIT課題を効果的に解決し、業績向上につながる可能性が高いのです。

次回は、中小企業に適したIT戦略について、より詳しく見ていきます。

第1回の記事はこちら

第3回の記事はこちら

この記事を書いた人

取締役 塩畑智弘

IT業界で20年以上のキャリア。メガベンチャーでGM経験あり。得意分野はPM、DX
夢:中小企業にITサポートを普及させ、ITサポートエンジニアの市場価値を向上させること