年末の断捨離は「データ」から始めなさい:セキュリティと快適性の両立

年末の大掃除シーズンがやってきました。
物理的な片付けも大切ですが、私たち情報システム担当者が提言したいのは、「デジタルデータの断捨離」です。

PCやスマートフォン、クラウドストレージに溜め込まれた無数のデータは、あなたの生活と職場のセキュリティに静かに負荷をかけ続けています。
この年末こそ、情シスの視点でデジタル環境を最適化しましょう。

📌 デジタル断捨離の3つの柱

1. データ整理の原則:「速度」と「容量」の確保


PCの動作が遅くなる要因には、OSやアプリではなく、不要なファイルとキャッシュの蓄積も関係します。

  • スクリーンショットの削除: 「一時的なメモ」として撮ったスクリーンショットは、用が済んだら即座に削除しましょう。
  • 「ダウンロード」フォルダの整理: ダウンロードフォルダは「一時保管庫」です。中身を全て確認し、長期間使用していないファイル(例:3ヵ月)は削除するか、外部ストレージ(HDDなど)に移動しましょう。
  • 重複ファイルの削除: 写真や動画のバックアップが複数箇所に存在しないか確認し、最新のもの以外は削除します。

2. セキュリティの原則:「アカウント」の棚卸し


使っていないアカウントは、情報漏洩リスクそのものです。

  • サブスクリプションの解約: サービスを利用していないのに毎月引き落としが続いている「デジタル負債」をリストアップし、解約しましょう。毎月の引き落としをチェックする良い機会です。
  • 不要なアカウントの削除: 長期間(例:3年以上)ログインしていないSNSやオンラインサービスのIDは、パスワード漏洩時のリスクを減らすためにも、削除またはパスワード変更を行ってください。

3. デジタル終活の原則:「継承」と「不可視化」


万が一の事態に備え、デジタル資産の引き継ぎ方法を整理します。

  • パスワードの一元化: すべてのID/パスワードを紙に書かず、パスワード管理ツール(1Passwordなど)に集約し、家族にマスターパスワードとツールの場所だけを伝えます。
  • 重要ファイルの隔離: 家族に見られたくないデータや機密データは、OS標準の暗号化機能(WindowsのBitLocker、MacのFileVaultなど)でロックしたストレージに隔離し、その解除手順だけを信頼できる人に伝達しましょう。家族との共有範囲を明確にしましょう。

まとめ:今すぐ始めるべき「デジタル断捨離」の第一歩


デジタル環境を整理することは、PCの動作を軽くするだけでなく、セキュリティホールを塞ぎ、家族の負担を減らす最も重要な作業です。
まずは『ダウンロードフォルダを空にする』『使っていないアプリを3つ消す』だけでも構いませんので、この年末は、ぜひ「デジタル断捨離」から始めてみてください。

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