はじめに
中小企業にとって、情報セキュリティ対策は、もはや「やった方がいい」ものではなく、事業継続を考える上で必須になりつつあります。しかし、大企業のように専門の部署や予算を確保するのが難しい中でなにから手を付ければ良いのか悩んでいるという声をよく耳にします。この記事では、中小企業が情報セキュリティ対策を始める上での第一歩を具体的な事例と共にご紹介します。
なぜ中小企業がセキュリティ対策をしなければならないのか
そもそもなぜ中小企業がセキュリティ対策をしなければいけないのか、理由としては様々ですが、以下のようなものが挙げられます。
「サイバー攻撃の標的化」
セキュリティ対策が出来ている大企業を攻撃するために、その会社に関連している中小企業を足掛かりとして標的にされる場合があります。
「人的ミス」
専門の人材が社内におらず、セキュリティに関する知識や経験が不足している従業員が情報の管理を担当している場合があります。そのため、大企業に比べて人的ミスによる情報漏洩のリスクが高くなります。
情報セキュリティ対策はなにから始めるべきか
情報セキュリティ対策と言っても、会社の業務全般に渡るため、本来は全ての業務を棚卸した上で、資産や管理・運用におけるリスクを特定して対策を実施していくことになります。とはいえ、一度に全てを始めることは現実的ではないので、以下のステップから始めることをお勧めします。
1.経営層の意識改革
情報セキュリティ対策はITに関連する部署だけが取り組むべきものではなく、経営層を含めた全社員が取り組むべき課題であることを認識し、必要に応じて人的リソースや予算取りをするために経営層の決断が必要です。
2.現状の把握
いざ、情報セキュリティ対策を実施することになったとして、始めるべきは「現状把握」です。現状把握とは、顧客情報、従業員情報、財務情報などの保護すべき情報はなにかを洗い出し、それらに対するリスクはなにか、どれくらい会社にとって重要な要素でどこまで対策をする必要があるかを把握することです。
3.対策の実施
現状の把握が出来たら、対策を実施します。基本的なものには以下のようなものがあります。
- OSやソフトウェアを最新のバージョンにアップデートする
- ウイルス対策ソフトの導入
- 推測されづらいパスワードの設定
- 共有権限の見直し
- 従業員へのセキュリティ教育
4.継続的な見直しと改善
対策を実施した後には定期的な見直しが必要になります。実施した対策が果たして効果があるのか?という見直しも必要ですが、新しい脅威に対応するという意味でも見直しと改善を継続していくことが重要です。
5.情報セキュリティ対策を実施するためのコツ
出来ることから始める
検討する範囲は多岐に渡るため、完璧な計画を立てようとすると膨大な時間がかかるか、途中で頓挫することになります。小さくても出来ることから始めましょう。
従業員への意識づけ
従業員教育が必須になるため、定期的に意識を高めてもらうようにテストや発信を行いましょう。
外部の専門家を活用する
セキュリティに対する専門知識を持った方が社内にいない場合には、外部の専門家に相談することでスムーズに情報セキュリティ対策を実施することが出来ます。
例)「ITサポート企業・情報セキュリティコンサルタントへの相談」、「研修サービスの活用」 など
まとめ
中小企業にとってセキュリティ対策は「喫緊の課題」になりつつあります。
ただ、コストやリソースの面でなにから考えればいいのか、なにから始めればいいのか、多くの企業が悩んでいるのが現実です。まずは、経営層がその意識を持ち、従業員一丸となって進めていくことが重要です。その上で、第三者の視点を取り入れて「現状分析と課題特定」から始めることをおすすめします。そして、適切な対策を講じ、従業員全体のセキュリティ意識を高めることが重要です。
ティースリーでは、そのような課題を抱える企業を支援し、企業の目指す方向へ共に歩んでおります。
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